火山についてのQ&A |
≪前のQ&A≪ ≫次のQ&A≫
|
Question #1014 | |
Q |
静岡の友人と話しをしていて、もし富士山が噴火した場合、火山弾はどこまで飛ぶかと議論して結論が出ませんでした。 約3600mの山頂から8000m上空まで45度の角度で噴出したとしても、空気抵抗を無視して約20Km、初速度は秒速400m超です。 頭に当たると危険な大きさの火山弾は、実際どの程度離れたところまで飛ぶのでしょうか? (09/12/00) Anonymous:ガラス技工:30 |
|
A |
直径64mmより大きな岩が火山から飛んできた時に,それを火山岩塊と呼びます.また
,火山岩塊のうちで特徴的な形や内部構造(紡錘状,パン皮状など)をしたものを火
山弾と呼びます.このような大きな岩は,富士山に限らず,どこの火山でもおおよそ
5km以上飛ぶことはめったにないことが,経験上わかっています.
火山弾・火山岩塊は,その大きさ(>64mm)からわかるように,例外なく頭に当たれ ば危険です.一方,それより小さい火山礫(直径2〜64mm)であっても,頭に当たれ ば致命的な場合が当然あり得ます.この程度の大きさのものは,噴煙にのって上空高 く舞い上がった後に風に流されて落ちてくる場合がありますから,とくに風下におい て5kmをはるかに越えた範囲に落下することがあります.どこまで飛ぶかは,噴煙高 度,風力,岩の密度などによって違ってきます.たとえば,1707年富士山宝永噴火で は,直径2cmの岩片が20km程度風下に飛びました. 実際にどの程度の大きさの岩片が頭に致命傷を与えるかは,医学的な専門知識がない のではっきり答えられません.しかし,たとえば直径5cm,密度2500kg/立方mの岩片 の空気中の終端速度は毎秒数十mとのデータがありますので,そういうものが降って くる場所には行きたくありませんね. (9/28/00) 小山真人(静岡大学・教育学部・総合科学教室) |