火山についてのQ&A |
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Question #109 | |
Q |
岩手山の噴火について騒がれていますが、近隣の火山への影響といったものはないのでしょうか。
秋田焼山の噴火も、一連の地下活動のように思えるのですが、どうでしょう。
(8/6/98) |
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A |
それは,難しい質問です.
東北地方の過去の噴火記録では,そういう風に見えることもたしかにあるよ うです.たとえば,福島県では1900年頃に相次いで3つの火山が噴火していま す.1888年の磐梯山の水蒸気爆発と山体崩壊,1893年の吾妻山一切経山の噴 火,1900年の安達太良山の噴火です.しかし,このようなケースはむしろ少な く,独立した火山活動が多いと思います. 東北地方の火山は南北方向に連なる奥羽山脈に沿って分布しています.その 西側には火山がありますが,東側にはありません.そのため,この火山の並び を火山フロントとよびます.近隣という場合には,フロント沿いの南北方向 と,それに直交する東西方向があるりますが,どちらが重要なのでしょうか. 火山が噴火するためには,地下のマグマたまりへのマグマの蓄積と,噴火の トリガとなる地表への通路の形成が必要です.東北日本孤は,東側から太平 洋プレートがもぐり込んでいるので,基本的にたえず東西方向に圧縮されるよ うな力がかかっています.もし,関連があるとしたら,東西方向の方が可能性 があるように思われます.福島の例も,東西方向です. さて,岩手山についてですが,有史時代の活動記録を整理した土井先生は, 周辺の火山活動や三陸沖の地震も含めて連関があるのではないかという意見を おもちのようです. http://gakkai.gtl.isas.ac.jp/lociin/tokoHTML0130/Vb_01160002yz_2.html (8/14/98) 千葉達朗(アジア航測株式会社・防災部)
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