火山についてのQ&A集 | |
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Question #70 | |
Q |
鹿児島市内に新設されるビルの壁面をどのようなものにするか検討しています。
鹿児島市内は桜島の噴煙等で屋根、壁が非常に汚れ易いと聞いています。
その汚れの対策を打ちたいのですが噴煙の成分とは
どのような物なのでしょうか?
(どのような汚染物質を想定して対策を打てばよいか)
是非ご教示お願いします。
(4/9/98)
URANO:建築関係:37 |
A |
噴煙は火山から放出された火山灰などの細粒物質と火山ガスや水滴から成っ ています。火山ガスには水蒸気のほか、二酸化炭素ガス、亜硫酸ガス、塩化水 素ガス等が含まれています。 屋根や壁が非常に汚れやすい原因としては、細かい火山灰が屋根や壁に付着 することが第一に考えられます。また、火山灰には微少な水滴や火山ガスの成 分などが付着しています。雨などで火山灰が湿ると、火山灰に付着している亜 硫酸ガスや塩化水素ガスなどが溶けて、火山灰に含まれる水が強い酸性を示す ことが考えられます。これは、ちょうど酸性の溶液が屋根や壁についてしまっ ているのと同じ状態になります。 屋根や壁に対して、酸性の溶液がどのような影響を及ぼすかは、私にはわか りませんが、酸に対してなんだかの検討をすることが必要なのではないかと思 います。 (4/15/98) 森 俊哉(東大・理・地殻化学実験施設)
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Question #69 | |
Q |
友達とマグマ溜りについて話していて疑問に思ったのですが、
マグマ溜りは地下水(帯水層)の様に固体の空隙に液体が入っている
のか、液体がある程度の空間をしめているのかどちらでしょうか。
もし、岩の隙にはいっているのなら溶岩のなかにその岩があるとおもいます
。友達は減圧で溶けたのかもしれないと言ってました。
また、マグマがある程度の空間をしめているのなら、物理探査などで見つけ
れるのではないかと思います。
そこで質問ですが、今のマグマ溜りのイメージはどういうものなんですか?
それに関連してマグマ溜りのできる辺りの状態(圧力、温度、物性、空隙
)などはどのようなものと考えられていますか?
(3/24/98) senda yoshimichi:学生:21 |
A |
質問を拝見しました。ご質問は、
筒井智樹(京大・理・地球熱学研究施設)
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Question #68 | |
Q |
もう既に、質問されたことがあるのかもしれませんが。
桜島の噴火時にいつも不思議でなりません。一般的には、
地下のマグマ溜まりからエネルギー(溶岩?)がこみあげて、
噴火すると理解しています。しかし、例えば溶岩がこみ上げてくるのであれば、
噴火したときに必ず火口低に溶岩がくるとおもうのですが、大体は
噴煙を黙々と上げるだけです。
質問は、マグマ溜まりでのマグマから、どのような物理過程を経て、
噴煙のみの形へ変化するのでしょうか。「マグマ溜まりには、噴煙の
元となるガスだけが貯まっているのですよ」という話しなら理解できるのですが
そうではなさそうですし。
よろしくお願い致します。
(3/18/98) 幸田 晃:鹿高専助教授:43 |
A |
ご質問ありがとうございます.鹿児島にお住まいの方は,実際に噴火をご覧 になりながら地下の現象に思いを巡らすことができるのですね.ときどき羨ま しくなります. さて,マグマ溜まりのマグマが噴煙に変化する過程を,簡単に説明してみま す.まず知っておきたいのは,マグマは単なる液体ではなく,その中にガスを 含んでいるということです.ビールやコーラを思い浮かべてください.ビール は炭酸を含んでいますから,急に圧力を低下させると(たとえば急に栓を抜く ととか)発砲して中身がビンの口から溢れ出てきますよね.噴火はそれに似て います. ガスを含んだマグマが地下から上昇してくると,発泡(はっぽう)という現 象が起こります.この発砲は,主にマグマが上昇してくる過程で圧力が低下す ることで起きるのです.発砲したマグマがさらに上昇すると,岩片(火砕物と いう)とガスの混合気体ができます.この気体はさらに速度を増して火口から 噴出し,噴火となります.噴煙柱は,噴出した高温の混合気体が周囲の空気を 取り込みながら上昇することによって形成されるのです. マグマはこのようなプロセスで噴煙となります.ですが,このプロセスはと ても複雑で,簡単なモデルでは実際の現象はなかなか説明できません.一口に 噴火と言っても,火山灰や軽石を噴出する噴火,爆発的な噴火,溶岩流を出す 噴火など様々です.その理由は,マグマの組成,温度,マグマの中にもともと あるガスの量,マグマ溜まりの深さ,マグマが上がってくる火道の大きさ,そ の上昇速度など,噴火様式を決める要素はたくさんあり,それらが火山ごと に,また噴火ごとに異なるからだと考えられています. ご質問に帰ると,例えば,ガスをあまり含まないマグマがゆっくりと上昇 し,粉砕されずに火口から出てくれば,それは溶岩流になります.噴煙柱をつ くる噴火との違いは,なんとなくイメージできるでしょうか? (3/19/98) 西村裕一(北大・理・有珠火山観測所)
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Question #67 | |
Q |
地理では、"富士火山帯"とか"白山火山帯"のように、"火山帯"と呼ばれるものがあると習いましたが、日本にある7つの火山帯はどのような基準のもとでこのように分類されたのでしょうか。また、それぞれの火山帯の火山活動には、どのような特徴があるのでしょうか。
(3/13/98) 山屋さん:学生:21 |
A |
火山帯というのは,まず地表での火山の並びに基づいて定義されたもので, ちょうど空の星をその天空上の位置から星座に区切ったのと同じような,地理 的な記載の便宜上が始まりです. とはいえそれぞれの火山帯には,噴出するマグマに特徴が見られることがあ ります.特によく特徴がわかるのが,東北地方の那須火山帯と鳥海火山帯で す.那須火山帯の火山は,主に輝石という鉱物を含む安山岩を噴出しているの に,その日本海側にある鳥海火山帯はしばしば角閃石という鉱物を含む安山岩 が噴出します.また化学組成も鳥海火山帯のほうがナトリウムやカリウムなど のアルカリ成分が多いという特徴があります.また乗鞍火山帯では角閃石安山 岩がよく見られます. ところが必ずしも各火山帯が共通の特徴を持っているわけではないのもまた 事実なのです.例えば富士火山帯では北部に輝石安山岩,角閃石安山岩,南部 に輝石玄武岩,安山岩が噴出するほか,一部にはアルカリがかなり多いマグマ も活動しますし,大山火山帯や霧島火山帯も様々なマグマが噴出しています.
川辺禎久(工業技術院・地質調査所)
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Question #66 | |
Q |
富士山の生成した歴史や構造を調べたいと思います。何か参考となる書籍がありますか?
(3/8/98)
しげ:会社員:34 |
A |
Question#64の回答でも取り上げましたが,
つじよしのぶ著「富士山の噴火―万葉集から現代まで」築地書館が格好の入 門書だと思います.肩の凝らない読み物です.ただし,この本は歴史時代のみ を扱っていますから,それ以前の歴史や構造のことが知りたければ, 町田 洋著「火山灰は語る」蒼樹書房 諏訪 彰編「富士山―その自然のすべて」同文書院あたりがよいと思いま す.ただし,火山学はいま伸び盛りの学問ですから,これらの本の内容は今後 の研究の進展によって大幅に塗り替えられていく性質のものであることに注意 してください.(3/9/98) 小山真人(静岡大学教育学部)
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Question #64 | |
Q |
先日火山地帯を貫くトンネルとして安房トンネルが開通しました。そこで、馬鹿な質問ですが、富士山のど真ん中を貫くトンネルを掘るとすると、どのような事態が生じ、どのような工事になると想像されますか?お教え下さい。 (1/8/98) 火山学者になりたかったなー:公務員:41 |
A |
「ど真ん中」というと山頂火口の真下かしら.あまり,ぞっとしませんね. 現在の富士山に顕著な地熱地帯の存在は知られていませんが,かつて山頂火 口には荒巻と呼ばれる地熱地帯があり,卵をゆでて売っていたそうです.その 場所の噴気の温度が1928年に80度,1954年に50度の測定記録もあります.この 地熱地帯は,1963年にもわずかに熱気があったそうですが,現在は無くなりま した.ただし,それは地表での話であり,トンネルを貫く場所の地下はまだ熱 い状態でしょう.仮に山頂火口の下を横断するトンネルを掘るとなれば,間違 いなく高温の地熱地帯を貫くことになり,つねに熱水・高温蒸気の噴き出しや 水蒸気爆発の危険と隣り合せる難工事になることは間違いありません. 富士山の山頂の地熱地帯の変遷や噴火の歴史にくわしい以下の本の一読をお 勧めします. つじよしのぶ著「富士山の噴火―万葉集から現代まで」築地書館 (1/10/97) 小山真人(静岡大学・教育学部)
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Question #63 | |
Q |
大陸地殻を形成している岩石が花崗岩と言う事を授業で習いました。また、花崗岩は玄武岩質マグマの結晶分化作用で作られる事も習いました。しかし、この2つの事と同時に、大陸地殻に存在する大量の花崗岩全てが玄武岩マグマの結晶分化作用で作られたのではないと言う事も習いました。それでは、一体どのようなプロセスを経て、大陸地殻を形成している花崗岩は作られたのでしょうか?授業では、明確な説明がなされなかったのでよろしくお願いします。ただ、花崗岩化作用なる物が存在すると言う事だけ先生から聞き出せました。
(12/21/97)
地学選択の勇気ある高校生:高校生:17 |
A |
学校では大陸地殻は上部を占める花崗岩層と下部を占める玄武岩層からでき ていると習いますが,大陸地殻がどのようにして形成されたかは,まだはっき りとは解明されていません.また,花崗岩層の平均組成は「花崗岩」というよ りは安山岩(あるいは閃緑岩)に近いものです. 大陸地殻の大半を占める安定地塊は始生代などの古い時代に形成されたもの です.始生代の地球の温度構造は現在とは大きく異なっており,地下増温率も 現在よりは高かったと考えられています.そこでは海洋プレートの沈み込むに よって,直接,安山岩質のマグマができる可能性や,沈み込む海洋プレート (玄武岩)自身が融解して,安山岩やデイサイト(安山岩と流紋岩の中間的な もの)マグマができる可能性などが指摘されています. 花崗岩化作用は,大陸地殻が侵食されてたまった堆積岩などが,融解しない で直接花崗岩になるというモデルです.大陸地殻形成にはマグマが関与してい るはずですから,花崗岩化作用は地殻形成には直接は関係がないでしょう. (12/21/97) 中田節也(東大・火山センター)
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Question #61 | |
Q |
火山は、なぜ出来たのですか?また、火山の利用法などはないのですか
(12/18/97)
karen/s:中学生:15 |
A |
普通の岩石は1200℃くらいの温度まで熱すると、どろどろに溶けてしまいま す。このようにして溶けた岩石をマグマと言います。地球は内部に多量の熱を たくわえていて、例えば日本で深い穴を掘ると、その穴の中では、深さ1kmご とに約30℃ずつ温度が高くなります。つまり、単純に計算すると、地下40kmで 温度が1200℃になり、そこでは、普通の岩石は溶けていることになります。実 際には、深くなるほど圧力も高くなるので、岩石は溶けにくくなるし、地下 40kmはもうマントルの中で、そこはカンラン岩という溶けにくい岩石でできて いるので、どこでも溶けているわけではありませんが、地球のマントルはプレ ート運動とともにゆっくり動いていて、マントルのカンラン岩が上昇している ような場所では、特に溶けやすくなります。溶けてできたマグマは集まって上 昇し、それが地表に噴出する場所が「火山」です。 火山では、マグマが地下から多量の熱を運んで来るので、その熱を利用して 地熱発電が行なわれています。この熱は温泉の水を温める役もしていて、入浴 はもちろん、農作物の温室栽培などにも利用されています。富士山のような大 きな火山体は、大気に上昇気流を生じてしばしば雨を降らせ、穴だらけの溶岩 の中に多量の水をたくわえて、貴重な水源の役もしています。地下のマグマの そばでは、岩石から熱水へいろいろな元素が溶け込み、熱水の温度が下がると それらが沈澱して、銅・亜鉛などの金属鉱床を作るので、我々にとって貴重な 資源を作り出してくれる役もしています。 (12/18/97) 石渡 明(金沢大学・理学部)
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Question #59 | |
Q |
おはようございます。私は、鹿児島県旅館組合青年部 橋本龍次郎と申します。突然で、申し訳ないんですが、私の夢を聞いて下さい。鹿児島の地域特性、シンボルでもある桜島ですが、地元では3s(桜島、焼酎、西郷さん)といわれ、あまり活かされていない現状です。そのため、まず、身近にあるものに、もう一度、目を向けてみようという事で『桜島に桜の花を咲かせ、本物の桜の島にして、夜桜のライトアップを、桜島自身の火山エネルギーで可能にし、そこに、市民を集め、夜桜を見、相集い、そして、桜島から見る鹿児島の夜景を見て、喜んでもらい『我が鹿児島のまちを誇りにおもう運動』を考察したいと、願っているのです。
そこで、質問ですが、
1,現在の桜島の、火山エネルギー(地熱、温泉、マグマ...?)で、それをライトアップのエネルギーに変換することが、可能だとおもいますか?
2,桜島に桜の木を植えたら、育つのですか?また、火山灰に桜の苗木はダメージをうけるのでしょうか?
3,桜島に京都大学研究所があるのですが、どなたか、ご進言、アドバイスを頂ける方を、ご紹介していただけないでしょうか?
4,もし、仮に火山エネルギーでライトアップが、可能ならば、その協力団体は、どのような団体になることが、予想されますか?
5,この私の考えに、懸念、ご進言、アドバイスをお願いいたします。
もし、この夢が、かなえば、これから時代を生きる私達の子供たちに、夜に灯る桜島が、桜島自身のエネルギーで灯る(桜島が、私達同様、生きている存在)というメッセージを伝えることが、出来るのではないかと、おもうのです。 大げさですが、たとえ、世界が滅亡しても、桜島だけは、自分のエネルギーで、闇夜のなか、灯っている姿を、想像するだけで、心がふるえます。 ちょっと、最後は、感情オーバーになりましたが、よろしくご進言の程、お願い申し上げます。 尚1998年、11月、『活火山サミット』楽しみにしております。 おじゃったもんせ!!かごっまへ!!
(12/12/97) 橋本 龍次郎:サービス業:33 |
A |
夢のある壮大な計画ですね. マグマの熱を利用した地熱発電は日本でも何ヶ所か実用化されています.鹿 児島県内でも牧園・栗野町の大霧地熱発電所(出力3万kW)と山川町の山川地熱 発電所(3万kW),それと小規模ながら霧島国際ホテル地熱発電所(100kW)の3つ が稼動しています. いずれも地下のマグマの熱で温められた熱水を利用した発電施設です.出力 としては十分でしょう. 熱を直接電力に変換する方法もないわけではありませんが,火山での応用に はまだ解決しなければならない技術的な問題が多いようです. 桜島は活火山ですし,温泉もありますから,潜在的な能力はあるかもしれま せん.ただし実用化するには,熱水が利用できる場所に十分な量溜まっている 必要があり,そのような場所を見つけて,開発するのには結構な額のお金がか かるのが現状です.またいくら自然のエネルギーとはいえ,それを電力に変換 する機械や施設の維持・管理が必要ですから,そのコストも考えなければなら ないでしょう. 桜の火山灰や火山ガスに対する耐性はよくわかりません.ただ桜島・南岳火 口から常時噴出している亜硫酸ガスを主体とする火山ガスの植物へのダメージ はかなり大きいと思われます.南岳ではなくて北岳山麓などを選べば火山ガス の影響はある程度避けられるかもしれません. いずれにせよ実現するには,予算などかなり大きな話になると思います.ち ょっと直接ご紹介はできかねますが,鹿児島県庁のしかるべき部署などにご相 談されるなどしてみてはいかがでしょうか. (12/29/97) 川辺禎久(工業技術院・地質調査所)
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Question #58 | |
Q |
今年の8月に和歌山県の湯の峰温泉に行ってきましたが、100度近いお湯が湧き出る「湯筒」というのがありました。このあたりには火山が全くないのにどうしてこんな熱い温泉が湧きだしているのでしょう。地質図を見るとこのあたりに火山岩が存在しているようですが、古い火山があるのでしょうか。近くの名勝の橋杭岩は火山岩が地表に出てきて冷えたものだと聞いた記憶があります。
(12/5/97)
中学生の時は火山学者を夢見てたおじさん。:公務員:41 |
A |
さすがに火山学者を夢見たロマンチストのおじさんでいらっしゃるだけあっ て,重要なポイントに興味をもたれましたね.和歌山県の温泉,特に龍神・湯 の峰・川湯などの温泉は温度の高いものです.これらの温泉の分布地域には何 千万年前の海底にたまった砂岩や泥岩が広く分布しているのですが,龍神・湯 の峰・川湯などの温泉のある一帯ではその岩石が白く変質しています.この変 質帯は果無山脈から大塔山の南まで南北に延びて帯をなしていて八丁涸漉(は っちょうこしか)変質帯と呼ばれています.この変質作用は熱をもった水によ るもので,しかもこの変質帯の中,およびその南延長上には石英斑岩という火 成岩の岩脈がだいたい南北にならんで分布しています.橋杭岩もその一つで す.これらの火成岩ができたのは千数百万年前ですので,この変質帯ができた のもそのころだと考えられています. で,湯の峰などの温泉の熱源なのですが,諸説ありまして,ひとつはこの千 数百万年前の火成岩の熱がまだ地下には残っているのだというものです.しか しこんなに長期間マグマの余熱が残っているということには懐疑的な学者もい て,昔マグマが上がってきた通り道であったこの地域は,今でも地下からの熱 を帯びた水や,地表から浸透した地下水の通り道になっているのであって,地 下深くからの熱がこれらの水にバトンタッチされながら運ばれてきているのだ という漠然とした考えもあります. 疑問はつきませんが,湯の峰に限らずまわりには見かけ上火山がないのに高 温の温泉が出ているところは有馬温泉などほかにもあります.これらの成因を 探ることは重要な問題だと思います.火山学をさらに夢見てください. (12/30/97) 三宅康幸(信州大学・理学部)
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